
質問
私はあすなろ君といいますが,借金して遊びに興じ,莫大な負債を抱えてしまいました。
自己破産などの方法で債務を処理できますか?
回答
あすなろ君が,これからまじめに暮らすのであれば,債務処理の方法は,なくはありません。
多重債務を抱えるようになってしまった方の債務整理の方法の一つに,自己破産があります(破産法)。
自己破産の手続においては,裁判所は,2段階の判断をします。すなわち,@破産手続開始決定と,A免責許可決定です。
@破産手続開始決定は,債務者が支払不能・支払停止などの状況にあるときになされ,この決定によって債務者は「破産者」と呼ばれます。しかし,この段階では,まだ,債務が免責(債務がなくなること)されていません。@破産手続開始決定後,債務者にA免責許可決定があって,初めて,債務がなくなるのです。
A免責許可決定をするために,裁判所は,さらに2段階の判断をします。まず,(1)法定の免責不許可事由がないことが明らかであれば,免責許可の決定をすることとされています(破産法252条1項)。しかし,免責不許可事由があっても,(2)債務者が反省しているなど,免責を許可することが相当であると思われる時は,免責許可の決定をすることができるとされています(破産法252条2項)。
あすなろ君の場合は,借金で遊興にふけったということですから,破産法252条1項4号の免責不許可事由があります。よって,よほどの反省と更生が必要でありましょう。
なお,法定不許可事由のない手続として,個人再生手続があります(民事再生法)。個人再生手続においては,債務がなくなるわけではなく,@100万円以上,A負債額の5分の1以上,B自己の所有する積極財産の額以上,の金額を,3年ほどかけて支払わなければなりません。免責不許可事由が著しい場合は,こちらの方法も検討に値するでしょう。
以 上