2016年11月17日

情状とは何ですか

ブログマンガ15完成.jpg

質問
 私はあすなろ君といいます。
 罪を犯して,捕まっています。犯した罪は,私自身が償わなければならないと考えています。
 ところで,私はひとりぼっちなので,法廷で情状証人になってくれる人がいません。犯した罪の被害の弁償もできません。
 一方,私と同じような罪を犯したM君は,情状証人になってくれる人があり,また,被害の弁償もできました。
 M君は執行猶予付の判決が出て釈放されました。
 私は実刑の判決が出て,刑務所に行きます。
 被害者の気持ちを思えば,私とM君の判決内容には違いがあって当然かもしれないとも思うのですが,そういうものなのですか?

回答
 ここで,この漫画を見て,「情状証人がいるかいないかは,捕まった被告人にはどうすることもできない事情なのに,情状証人がいて,周りの人から助けてもらえる人の方が,良い判決がもらえるのは,何か不条理ではないだろうか?」と思われる方もいるかもしれません。
 情状(刑を決めるにあたって,諸事情を考慮すること)の判断は,たんに被告人がかわいそうかどうかを見るというものではなく,被害者の苦痛が和らいだかどうか,被告人が再び罪を犯す可能性がないかどうかが,大切であるようです。
 すなわち,被害の弁償ができている方が,できていないよりも,被害者の苦痛が緩和されるので情状が良く,また,周りに被告人の立ち直りを支え監督してくれる人がいる方が,いない場合よりも,被告人の再犯可能性が減るので情状が良い・・・というもののようです。
 しかし,被告人のなした行為や,被告人の身の上に応じた,完全に公平な判断というものは,実際には困難なのかもしれません。判断される裁判官も,悩むところでしょう。
以 上
posted by asunaro at 09:57 | 刑事の問題

2014年05月30日

あすなろ君,逮捕される

ブログマンガ9回H260530.jpg
質問
 電車の中で痴漢と間違えられて,捕まえられてしまいました。
 どうしたらいいですか?

回答
 あなたは,罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があるということで逮捕されました。
 あなたは,弁護人の助けを求めることができます。
 留置場職員の方や,刑事さん,検察官,裁判官に,地域の当番弁護士を呼んでもらうように頼んで下さい。当番弁護士制度というのは,初回の接見(面会)を無料で受けることができる制度のことです。まずは,当番弁護士に事情を話して,今後の方策を相談するといいでしょう。
 また,あなたには,黙秘権(憲法38条)があり,取調の際,聞かれたことに対して答えなくても良い権利,調書に署名指印をしなくても良い権利があります。
 もちろん,あなたが本当に罪を犯して反省している場合に,素直に認めることは問題ありません。
 不安なときは,まず当番弁護士を呼んでみましょう。
posted by asunaro at 12:59 | 刑事の問題